楽天損保の自動車保険について知りたい!
楽天グループに損害保険会社があることは知らなかった。コマーシャルも見かけないし、実態がよくわからないけど、他の楽天のサービスと連携があったりするのかな・・・?
という、楽天損保についての疑問にお答えします。
・事故の時に現場でサポートしてくれる安心感を期待したい人
・年間走行距離が比較的多く(15,000km以上)てもある程度保険料を抑えたい人
もくじ
楽天損保はどんな保険会社?
楽天損保は、1951年に野村証券、大和銀行(りそな銀行)、第一銀行(みずほ銀行)、そのほか財界人や有力各社の発起により、資本金5000万円を持って設立された朝日火災海上保険が起源です。2011年からは野村グループ傘下となり、その後2018年3月に楽天の連結子会社となりました。
2018年7月には名称を楽天損害保険と変更し、名実ともに楽天グループの一員となりました。
楽天損保の自動車保険の特長
民間の調査会社、J.Dパワー社による2018年の自動車保険顧客満足度調査において、楽天損保は「新規加入」「契約者」の2つの調査で代理店系保険会社部門の第1位を獲得しています。そんな高い評価を得ている楽天損保の自動車保険の特長は以下の通りです。
ASAP6は最長6年の長期保険契約が可能
楽天損保の一般家庭用自動車保険は「ASAP6」という商品名です。前身の朝日火災の時から同じ商品名のまま引き継がれているこの保険の一番の特長は「最長6年契約という長期契約が選べる」ことです。
契約期間中の保険料は契約時点で確定します。もし、保険期間中に事故を起こしても保険料は上がりません。しかも、保険期間が6年の場合は、期間中の3等級ダウン事故が1回だけであれば、期間中のいつ事故を起こしたとしても、次の契約時の事故有係数適用期間が0年のままになります。
そのため、1年契約の時の保険料と比較すると、6年契約の場合は大幅に保険料が安くなる可能性があります。事故を起こす心配がある方には安心できるポイントになるかもしれません。
ALSOKと連携した事故現場急行サービス
警備会社の隊員が事故現場にかけつけて事故対応のサポートをしてくれる事故現場急行サービスは、これまでネット自動車保険各社でのみ導入されていました。
楽天損保では、2019年4月1日から代理店型の損害保険会社としては初めての現場急行サービスとなる「あんしん事故現場かけつけサービス」をALSOKとの提携により開始しました。
もしもの事故の際に、電話でサービスを希望すれば、24時間365日事故現場にALSOK隊員がかけつけ、安全確保や事故状況の確認、現場の記録、楽天損保への事故状況の連絡などをサポートしてくれます。
ただ、同じALSOKと連携して同様のサービスを提供している「おとなの自動車保険」では、事故相手からのヒアリングや救急車の手配もサポート内容に含まれますが、ホームページの情報を観る限り、楽天損保のサービスにないので注意が必要です。
走行距離によらない保険料
楽天損保の保険料の算出には、走行距離は考慮されません。年間の走行距離が長い方にはメリットがあります。
楽天損保の自動車保険のメリット・デメリットとは?
楽天損保の自動車保険のメリットとデメリットを私の視点で整理しました。
楽天損保の自動車保険のメリット
楽天損保の自動車保険を選ぶメリットのひとつは、長期契約を選べる点です。6年契約中の保険料の支払い方法は1年ごとの分割払いも一時払いもどちらも選べますが、年ごとの場合は自動引き落としもできるので、毎年契約のためにかけていた手間を削減できます。契約し忘れということもありません。
また、車両保険をかける場合は車種による料率クラスが毎年更新されるため、1年契約の場合、事故がなくてもクラス変更による保険料の増加が起こりえますが、長期契約の場合はその影響も受けません。
さらに、契約期間中の事故が1回だけだった場合は、期間中いつ事故を起こしたとしても、次回更新時は事故有係数適用期間が0年のまま、かつ通常通りだとわかっているのは、先々の保険料に対する不安を減らすことができます。
保険料以外には、事故現場かけつけサービスは、事故発生直後の冷静に考えることが難しい状況を現場でサポートしてくれるという安心感が得られます。
楽天損保の自動車保険のデメリット
デメリットとして考えられるのは、長期契約にしたからといって必ずしも保険料が安くなるとは限らない点です。下の表をご覧ください。同じ条件で6年契約をした場合と、1年契約を5回更新したときの保険料を比較しています。
6年契約 | 1年契約 | |||
---|---|---|---|---|
保険料 | 等級 | 保険料 | 等級 | |
1年目 | ¥28,190 | 15 | ¥28,190 | 15 |
2年目 | ¥29,690 | 15 | ¥27,680 | 16 |
3年目 | ¥29,030 | 15 | ¥27,170 | 17 |
4年目 | ¥28,140 | 15 | ¥26,660 | 18 |
5年目 | ¥27,220 | 15 | ¥26,150 | 19 |
6年目 | ¥23,910 | 15 | ¥22,080 | 20 |
合計 | ¥166,180 | - | ¥157,930 | - |
こちらの記事でもとりあげたとおり、6年間無事故を継続した場合は、逆に1年契約を5回更新したほうが安くなり、年ごとの保険料も1年目より2年目のほうが高いということが起こります。
楽天損保のホームページにも「ご契約条件によっては、1年契約の継続による総額保険料よりも長期契約の総額保険料の方が高くなる場合があります。」と書かれています。
様々なリスクを考慮した結果のことだとは言っても、ユーザーにはわかりにくく、選ぶのに悩んでしまうポイントだと思います。契約者を増やしたいならこの点は改善が必要ではないかと思います。
また、取扱代理店の数が大手損保と比べると圧倒的に少ないので、近くに代理店がないという理由で選択肢から外さざるをえない場合もあるでしょう。
もうひとつ、ホームページやパンフレットに掲載されている情報がわかりにくいのが気になりました。選べる特約の種類やその概要、限度額などについて情報がないものもあり、最終的に規約までたどり着かないとわからないものまでありました。
申し込みは代理店に連絡する必要があるので、最終的には代理店に説明させればよいと思っているのかは不明ですが、
楽天損保の自動車保険の評判は?
実際のユーザーは楽天損保の自動車保険についてどう評価しているか、実際の口コミ情報を調べてみました。
よい評価
- 長期契約でも保険料を分割払いで加入できるのが良い。
- 保険を使っても保険料が変わらず、しかも安いと思う。
悪い評価
- 加害者になってしまったとき、こちらの立場に立って話をしてほしかった。
- 事故相手(加害者)が楽天損保加入者だったが、態度がとても悪い。こちらから連絡しない限り何の進展もない。
- 最初の担当者の態度が上から目線でひどかったため別の担当者に変更してもらったが、同様にひどかった。どういう教育をしているのか。
楽天損保の自動車保険でおすすめの補償内容は?
まずは、楽天損保の自動車保険の詳細です。
自動セットされる補償一覧
相手への補償 | |
対人賠償責任保険 | 自動車事故で他人を死傷させたときの補償 |
対物賠償責任保険 | 自動車事故で他人の財物に損害を与えたときの補償 |
対物超過修理費用補償特約 | 事故相手の車の修理費が時価を超えた場合、50万円を限度に補償 |
他車運転危険補償特約 | 他人の車を運転中に起こした事故の補償 |
被害者救済費用等補償特約 | 車の欠陥、ハッキングなどが原因の法律上自分に賠償責任がない事故で他人に損害を与えたときの補償 |
自分や同乗者への補償 | |
人身傷害保険 | 自動車事故で自分や同乗者が死傷したときの補償 |
人身傷害死亡・重度後遺障害時緊急支援費用補償特約 | 事故で死亡または後遺障害が残る場合、一時的に必要な生活費や育英費などを補償 |
無保険車傷害特約 | 無保険の車との事故で自分や同乗者が損害を受けたときの補償 |
自損事故傷害特約 | 自損事故で自分や同乗者が死傷したときの補償 |
その他の補償 | |
ロードアシスタンス特約 | 事故や故障で自力走行できなくなったときにレッカー費用、クレーン作業費用、修理完了後の車の引取費用を20万円を限度に補償 |
割引の種類
割引種類 | 備考 |
---|---|
ゴールド免許割引 | 最大約15%割引 |
新車割引 | 保険始期月が初度登録年月から25ヶ月以内(車両保険は49ヶ月以内) |
自動ブレーキ割引 | |
セカンドカー割引 | 名称は「複数所有新規契約割引」 |
ノンフリート多数割引 | 2台以上の車を1保険証券でまとめて契約するときの割引 |
事故対応
― | 概要 |
---|---|
現場急行サービス | ALSOK |
事故受付時間 | 24時間365日 |
事故発生時の対応 | 以下の対応をALSOK隊員が現場でサポート ・現場での安全確保 ・事故状況の確認 ・現場写真撮影 ・ロードアシスタンスの出動要請 ・楽天損保への連絡 |
特長 | 24時間365日事故受付後、ALSOK隊員が現場に急行して初期対応を実施 |
ロードサービス
項目 | 内容 |
---|---|
拠点数 | 8500ヶ所 |
無料レッカー範囲 指定工場以外の上限 | 最大20万円まで(★) |
現場対応可能時間 | 30分程度 |
ガス欠時のガソリン代 | 年一回10Lまで |
キー閉じ込み時の開錠 | ○ |
キー紛失時の開錠・キー作成 | x |
バッテリー上がり時のジャンピング | 年1回まで |
パンク時のスペアタイヤ交換作業 | ○ |
タイヤボルト増し締め | x |
油脂類代 | ○ |
冷却水代 | ○ |
各種灯火類のバルブ代 | ? |
落輪引き上げ | ロープ使用程度、1m以内 |
修理後搬送費用 | ー |
修理後車両引取り費用 | 最大20万円まで(★) |
宿泊費用 | 1泊1名1万円まで |
帰宅/目的地到着費用 | 1人当たり2万円まで |
レンタカー費用(帰宅費用として) | 1台につき2万円まで |
ペット宿泊費用 | ホテル代1万円まで |
★:合計して20万円まで補償 |
見積時に自動的に提示される3つのプラン
楽天損保で見積をとると自動的に3つのプランが提示されます。
車両保険がつかない、最安なプランです。
・充実プラン
ベーシックプランに一般タイプの車両保険と弁護士費用特約が追加されたプランです。
・セレクトプラン
上2つのプランは自分で変更することができません。セレクトプランは自分で編集できるプランで、充実プランをベースにしています。変更したプランの見積はその場で確認できます。
ベーシックプランと充実プランの内容は以下の通りです。
ベーシックプラン | 充実プラン | セレクトプラン | |
---|---|---|---|
対人賠償 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
対物賠償 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
対物超過修理費用特約 | ○(自動付帯) | ○(自動付帯) | ○(自動付帯) |
人身傷害種類 | 搭乗中のみ | 搭乗中のみ | 搭乗中のみ |
人身傷害金額 | 3000万円 | 3000万円 | 3000万円 |
搭乗者傷害 | なし | 部位症状別払 | 部位症状別払 |
無保険車傷害 | ○(限度額不明) | ○(限度額不明) | ○(限度額不明) |
自損事故 | 1500万円 | 1500万円 | 1500万円 |
車両保険種類 | × | 一般 | 一般 |
車両保険自己負担額 | × | 0-10万円 | 0-10万円 |
特約 | 他車運転特約 | 他車運転特約 自動車事故弁護士費用特約 | 他車運転特約 自動車事故弁護士費用特約 |
楽天損保の自動車保険でおすすめのプランや特約は?
上記の通り、ベーシックプランと充実プランの違いは車両保険と搭乗者傷害、弁護士費用特約の有無だけです。また、それぞれのプランでは、基本補償の内容は変更できないので、実際はセレクトプランを変更して自分に合った内容に修正します。
したがって、どちらがおすすめというわけでもないのですが、セレクトプランは充実プランベースの設定ですので、保険料を抑えるために搭乗者傷害を外す程度の変更でも必要最低限の補償はカバーできます。
以下はオプションで選択できる保険・特約の一覧です。おすすめの設定項目には★をつけましたので合わせて参考にしてください。
自分や同乗者への補償 | |
人身傷害車外危険補償特約 | 他人の車の運転中や歩行中の事故でも人身傷害保険で補償される。 |
搭乗者傷害特約(部位・症状別払) | 自分・同乗者がケガをしたときに、定額の保険金が部位別・症状別に支払われる。 |
搭乗者傷害医療保険金倍額払特約 | 搭乗者傷害特約の保険金が倍額支払われる。 |
搭乗者傷害特約(死亡・後遺障害) | 自分や同乗者が死亡または後遺障害が残った時に定額の保険金が支払われる。 |
自分の車の補償 | |
車両保険 | 自分の車が受けた損害に対する補償。 エコノミータイプは「車対車+A」 |
車両保険無過失事故特約 | 自分の過失がない事故で受けた損害で保険を使ってもノーカウント事故として扱われる(車両保険に自動セット) |
車両地震特約 | 通常の車両保険で補償されない災害(地震・噴火・津波)による損害に対する補償。 |
車両新車取得費用補償特約 | 修理費が新車価格の保険金額の50%以上の損害を受けたときの新車の購入費を補償。 |
車両全損時臨時費用特約 | 車が全損したときに車両保険金額の10%の保険金が支払われる。 |
事故・故障時レンタカー費用補償特約 | 車両修理中にレンタカーが必要になったときの補償 |
車内積載動産補償特約 | 事故で車内の動産(カメラ・ゴルフセットなど)が受けた損害に対する補償。 |
その他の補償 | |
自動車事故弁護士費用等補償特約 ★ | 示談交渉のため弁護士を依頼したいときの補償 |
個人賠償責任補償特約(示談交渉サービス付) | 日常生活で他人を死傷させたり損害を与えたりしたときの補償 |
ファミリー自転車障害特約 ★ | 自転車事故による死傷を補償 |
ファミリーバイク特約 ★ | 125㏄以下のバイクを運転中の事故に対して対人・対物賠償、傷害を補償 |
なお、見積サイトで長期契約を見積ることができる条件は、現在加入中の自動車保険のノンフリート等級が「14等級」以上かつ運転者の年齢条件が35歳以上という組み合わせに限られています。それ以外の場合は代理店に直接お問い合わせください。
まとめ
- 楽天損保の特徴は「長期契約」「事故現場急行サービス」「走行距離に寄らず一定の保険料」です。
- 長期契約にはメリット・デメリットがあるので、契約前に検討が必要です。
- 第三者機関の調査では新規加入、契約者満足度ともに高く、今後シェアを伸ばすのか要注目です。