
という、三井ダイレクト損保についての疑問にお答えします。
・JAFなど他のロードサービスに入っている人
・自動車保険以外の独自サービスを使いたい人
三井ダイレクト損保はどんな保険会社?
三井ダイレクト損保は、三井住友海上やあいおいニッセイ同和などと同じ、MS&ADインシュアランスグループホールディングスのグループ会社です。
ばっさーこと本田翼さんを起用したテレビCMも話題です。
→三井ダイレクト損保のCMに出演している女優は誰?
起源は三井物産によって1999年6月に設立された準備会社で、現社名としての営業開始は2000年6月となっており、外資系ではないダイレクト系の自動車保険会社としては、ソニー損保に次ぐ歴史がある会社です。
東京海上グループにおけるイーデザイン損保と同様に、ネット型の自動車保険に限定した事業展開をしています。
ソルベンシーマージン比率は、2017年度で457.5となっていて、ネット自動車保険のなかでは平均的な値になっています。
参考;ネット自動車保険各社のソルベンシーマージン比率(2017年)
※ 上から保険料収入順
保険会社名 | ソルベンシー マージン比率 |
---|---|
ソニー損保 | 782.1 |
アクサダイレクト | 782.5 |
チューリッヒ | 624.1 |
三井ダイレクト | 457.5 |
SBI損保 | 366.1 |
セゾン自動車火災 | 463.9 |
イーデザイン損保 | 282.4 |
そんぽ24 | 1081.6 |
セコム損保 | 619.4 |
三井ダイレクト損保の自動車保険の特長は3つ
三井ダイレクト損保の自動車保険の特長は以下の3つです。
細かい区分で「走った分だけ」の保険料を実現
三井ダイレクト損保の保険料は、過去1年間の走行距離に応じて変動します。走行距離区分は以前は4区分でしたが、2018年7月1日以降の契約からは、以下の8区分に細かく設定され、走行距離の違いが保険料により反映されやすくなりました。
5,001km~7,000km/7,001km~10,000km」
10,001km~12,000km/12,001km~15,000km
15,001km~20,000km/20,001km以上
走行距離は上記の通り「過去1年間」の値で決定するため、契約時に選んだ走行距離区分を超える距離を走っても、追加の保険料や変更の手続きは不要です。
継続するときは、オドメーターの入力が必須になっているので、継続する方は前年の契約時に申告した値と新規契約時の値の差が、申告する距離とずれないように注意しましょう。
保険料そのものは、以前はネット自動車保険のなかでも安かったのですが、今はSBI損保やイーデザイン損保よりは高く、おとなの自動車保険やソニー損保よりは安い、という中間的な位置づけになっています。
人身事故・物件事故それぞれの専門スタッフが担当する事故対応
三井ダイレクト損保の事故対応は、1事故ごとに人身事故・物件事故の専任スタッフがそれぞれ担当します。人身と物件でそれぞれの専任スタッフがいるという、独自の体制できめ細かく対応していきます。
事故発生時の初期対応も土日祝日を問わず9:00~19:00まで対応します。入院するようなケガをした場合に直接話したいときは、21時までの連絡で入院先までスタッフが急行します。
各種サービスの割引が受けられる「ご契約者専用お得サービス」
三井ダイレクト損保には、契約者特典としてホテルやレストラン、レジャー施設などがお得な価格で利用できる「ご契約者専用お得サービス」を提供しています。企業の福利厚生用のサービスを自動車保険契約者向けにアレンジして提供しているというイメージです。
ネット上で「三井ダイレクト損保クラブオフ」に無料の会員登録をする必要がありますが、全国各地のリゾート施設や宿泊施設などを優待価格で利用できます。また、ファミリーレストランのクーポンや映画チケット、日帰り湯、旅行ツアーや国内・海外航空券など車の旅行とは関係ない場面でもお得に使えるサービスになっています。
三井ダイレクト損保の自動車保険の評判は?
実際のユーザーは三井ダイレクト損保の自動車保険についてどう評価しているか、実際の口コミ情報を調べてみました。
よい評価
- レンタカーをぶつけてしまったが、相手方とのやり取りはすべてスムーズに代行してくれた。
- 事故対応、ロードサービスなど何度か利用したが、窓口も担当者も対応は丁寧で問題はなかった。
- 事故を起こしてパニックになってしまったが、取り急ぎ電話をすると、落ち着いた口調で丁寧に説明してくれた。その口調のおかげで落ち着きを取り戻し、その後の警察や相手とのやり取りをスムーズに行えた。
悪い評価
- 後ろからの追突事故の被害にあったのに、過失の割合が7:3と言われた。相手方の保険会社が三井住友海上だったので忖度があったのかもしれない。
- 中断証明書を使って契約したかったが、サイトに電話申し込みするよう書かれていた。インターネット割引が適用されないと保険料が高くなので、インターネット割引が受けられる他社で契約した。
- コールセンターのオペレーターの対尾言うはとてもよかったが、肝心の事故対応の担当者の連絡は最悪だった。先方への連絡、事故対応、リサーチすべてこちらに丸投げ。これでは何のための自動車保険かわからない。
三井ダイレクト損保の自動車保険でおすすめの補償内容は?
まずは、三井ダイレクト損保の自動車保険の詳細です。
補償内容は標準的
自動セットされる補償 | 選択できる補償 | 備考 | |
---|---|---|---|
相手への補償 | 対人賠償保険 対物賠償保険 | 対物超過修理費用補償特約 | |
自分や同乗者への補償 | 無保険車傷害特約 | 人身傷害保険 搭乗者傷害保険 自損事故傷害特約※1 搭傷医療倍額支払特約※2 搭傷育英費用補償特約※2 | ※1 人身傷害保険をつけない場合選択可能 ※2 搭乗者傷害契約時のみセット可能 |
自分の車の補償 | 車両保険 | 車両新価保険特約 車載身の回り品補償特約 レンタカー費用特約 事故付随費用補償特約 | |
オプションの補償 | 他車運転特約 | 弁護士費用補償特約 ファミリー傷害特約 ファミリーバイク特約 |
長期契約者に嬉しい継続割引や車両保険セット割引など豊富な割引制度
特約名 | 有無 | 備考 |
---|---|---|
インターネット割引 | あり | 保険料により割引額が変動、最大10,000円引き |
証券不発行割引 | あり | eサービス割引 500円引き |
ゴールド免許割引 | なし(※) | ※ 実質あり(保険料計算時に免許証の色が加味されるため) |
新車割引 | あり | 保険始期月が初度登録年月から25ヶ月以内 |
ASV割引 | あり | |
長期優良契約割引 | なし | |
ハイブリッド電気自動車割引 | あり | ECO割引 保険始期日が初度登録年月から13ヶ月以内の車両が対象 |
福祉車両割引 | なし | |
障害者割引 | なし | |
無事故割引 | なし | |
セカンドカー割引 | あり | |
2台目割引 | なし | |
早期契約割引(早割) | なし | |
継続割引 | あり | 初めての継続で1%、2回目1.5%、3回目以降は2%割引 |
車両保険セット割引 | あり | 基本補償の保険料を割引 |
紹介割引 | あり | 契約者からの紹介で2000円割引 インターネット割引との併用不可 |
事故対応は24時間365日受付、休日も平日と同様の初期対応
― | 概要 | 備考 |
---|---|---|
事故受付時間 | 24時間365日 | |
事故発生時の対応 | ・事故相手への連絡 ・修理工場への連絡 ・医療機関への確認 ・対応結果の報告 ・事故解決までの流れの説明、不明点の相談 | 初期対応は平日休日問わず9時~19時まで 専任担当者への連絡は平日のみ9時~17時 |
拠点数など | 損害サポートネットワーク 全国480ヵ所 弁護士 約160事務所 提携修理工場2,100ヵ所 | |
特長 | 14ヶ国語対応 |
ロードサービスは最低限のレベル
― | 概要 | 備考 |
---|---|---|
受付 | 24時間365日 | |
レッカーサービス | 提携修理工場までは距離無制限 契約者指定の修理工場までは50kmまで無料 | JAF会員はJAFを優先して利用させられる |
特徴的なサポート | 全国3800ヵ所のサービス拠点 | |
特長 | 帰宅・宿泊費、事故で車が使えなくなった時の移動費用などは有料の特約(事故付随費用補償特約)で対応 |
見積時に自動的に提示される3つのプラン
三井ダイレクト損保で見積をとると自動的に3つのプランが提示されます。
- エコノミー
提案の中では一番安いプランですが人身傷害・搭乗者傷害もついています。車両保険は限定プランになっているため、当て逃げ等の損傷では車両保険が使えません。 - スタンダード
車両保険を一般型にして、人身傷害の保険金を増額したプランです。 - プレミアム
車両保険で1回目の免責金額をゼロ円にする特約つき、かつファミリー傷害特約がセットされ車以外でのケガの補償も受けられるプランです。
プランの提案内容はそれぞれ以下の通りです。
エコノミー | スタンダード | プレミアム | |
---|---|---|---|
対人賠償 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
対物賠償 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
対物超過修理費用特約 | ○ | ○ | ○ |
人身傷害種類 | 一般 | 一般 | 一般 |
人身傷害金額 | 3000万円 | 5000万円 | 5000万円 |
搭乗者傷害 | 1000万円 | 1000万円 | 1000万円 |
無保険車傷害 | 2億円 | 2億円 | 2億円 |
自損事故 | 設定なし(人身傷害で補償) | 設定なし(人身傷害で補償) | 設定なし(人身傷害で補償) |
車両保険種類 | 限定 | 一般 | 一般 |
車両保険自己負担額 | 5-10万円 | 5-10万円 | 5-10万円 (車対車免責ゼロ特約あり) |
特約 | 他車運転特約 事故付随費用補償特約 身の回り品補償特約 被害者救済費用特約(自動セット) | 他車運転特約 事故付随費用補償特約 身の回り品補償特約 被害者救済費用特約(自動セット) | 他車運転特約 事故付随費用補償特約 身の回り品補償特約 ファミリー傷害特約 (アウトドアタイプ、家族型) 被害者救済費用特約(自動セット) |
三井ダイレクト損保の自動車保険でおすすめのプランや特約は?
上記3プランはいずれも私が考える最低限の組み合わせを満たしていないのですが、上記のプランからは、「スタンダード」をベースに考えようと思います。
ここから、保険料と補償のバランスを考えると、弁護士費用特約を追加セット、搭乗者傷害と身の回り品補償特約を外すと、ほぼ保険料が変わらず内容を変更できます。
また、三井ダイレクト損保の特約には、「ファミリー傷害特約」というものがあります。日常生活のケガを補償するもので、補償範囲は夫婦型と家族型、保険タイプがアウトドアタイプとワイドタイプのそれぞれどちらかを選んで組み合わせます。
補償が一番広いのは、家族型とワイドタイプの組み合わせで、家族全員が自宅の内外でケガをしたときに補償が受けられます。夫婦型だと子供や同居の親族は対象外、アウトドアタイプだと自宅外のケガは対象外になります。
また、車両保険をつけるなら必ずセットしておきたいのが「事故付随費用補償特約」です。この特約をつけないと、万が一の事故で自分の車が自走できなくなったときの移動費用や宿泊費が補償されません。差額は300円程度なので外す理由はないと思います。
三井ダイレクト損保の自動車保険のデメリットとは?
三井ダイレクト損保のデメリットにはどんなものがあるでしょうか。
ロードサービスが最低限の対応のみ
三井ダイレクト損保の自動車保険に無料で付帯するロードサービスは、他のネット自動車保険各社と比べると必要最低限の対応しか受けられません。
事故で車が自走できなくなった場合、自分や搭乗者の移動費や宿泊費はサポートされません。「事故付随費用補償特約」をつければ補償が受けられますが、特約をつけるには車両保険が必要になるため、車両保険をつけない場合は補償を受ける方法がありません。
ガス欠時のガソリン代も契約2年目からは10Lまで無料になりますが、他社と比べて特別優位点はありません。JAFに加入されている方は、レッカーサービスを依頼するとJAFに取り次がれるため、かけつけるのはJAFのサービスということになります。
もし、自分が指定する工場にJAFを使ってレッカーする場合、15kmまではJAFが、それを超えてさらに50kmは三井ダイレクト損保がレッカー代を負担してくれますが、15kmを超える分のレッカー代はその場でいったん立て替える必要があるのは、逆に面倒です。
自転車乗車中の事故に対する補償は対応していない
三井ダイレクト損保では、日常生活で起きた事故で、自分または家族が賠償責任を負ったときの補償に関する特約や保険は提供していません。(自分のケガはファミリー傷害特約で補償可能)
イーデザイン損保の記事でも書きましたが、最近損害賠償額が大きくなっているということで注目されている自転車事故の賠償責任に対応していないのは、自転車保険の加入を義務付ける自治体が最近増えていることを考えても、対応を検討すべきではないかと思います。
専用の自転車保険を追加してもよいのですが、自動車保険に付帯する自転車特約のほうが保険料がおおむね安く、補償される保険金はおおむね高いのも事実です。
特約には、自動車保険ごとの特色があります。そのような違いを比較するなら、無料で利用できる一括見積もりサービスを活用することをおすすめします。5分程度の入力時間で複数の会社の見積が簡単に取れます。
まとめ
- 三井ダイレクト損保の特長は「走行距離が反映されやすい細分化された走行距離区分」「対人・対物各専門スタッフによる事故対応」「契約者特典のお得なサービス」です。
- 保険料はダイレクト型の自動車保険としては平均的です。
- ロードサービスや補償には他社と比較すると見劣りする点があります。
自分にあった自動車保険を選ぶには、複数の保険会社から見積もりを取り、内容を比較して検討することが重要です。
そのために便利なのが、自動車保険の一括見積もりサービスです。5分程度で必要事項を入力すれば、最大で10社以上から一度に見積もりを入手できます。
私も毎年比較のために活用しているサービスです。無料で利用できますし、申し込み後に面倒な電話がかかってくることはありません。ぜひお試しください。