
保険料がとても安いみたいだけど、安心して契約できるかな?
そんな疑問にお答えします。
・安価な保険料で充実したロードサービスを受けたい人
・走行距離が大きく変わる可能性がある人
私は以前、SBI損保の自動車保険を3年間継続して契約していました。
ここでは、元SBI損保ユーザーとしての自分の経験や市場調査、口コミ情報などを交えて、SBI損保の自動車保険についてまとめたいと思います。
もくじ
SBI損保はどんな保険会社?
SBI損保は、インターネット上の手続きだけで契約が完了するダイレクト(通販)型損害保険を扱う損保会社です。
2008年に当時のSBIホールディングスとあいおい損保の共同出資により設立されました。外資系企業ではありません。
現在は、SBI証券、住信SBIネット銀行などと並んでSBIホールディングスの傘下に属しています。
ちなみに、SBIという名称は、”Strategic Business Innovator”の頭文字で、「戦略的事業の革新者」を意味しているそうです。
(出典:SBI損保ホームページ)
自動車保険以外にもがん保険や火災保険も取り扱っており、グループ会社が取り扱う生命保険等の代理店業も行っています。
保険料の支払い余力を表すソルベンシーマージン比率は2017年度で366.1です。これは同じダイレクト系のイーデザイン損保(282.4)、セゾン自動車火災(463.9)と同レベルです。
SBI損保の自動車保険をおすすめするポイントは3つ
SBI損保の自動車保険の特長は3つあります。
保険料が全体的に安い
SBI損保の自動車保険の一番の特長は「保険料が安い」ことです。
価格.comの「保険料満足度ランキング」では2010年以降2019年まで10年連続1位を獲得しています。保険料の安さで自動車保険を選ぶなら、必ず候補のひとつに挙がる会社です。
ロードサービスが充実!
SBI損保の自動車保険では、ロードサービスは自動付帯されます。
基本サービスと、3年以上の継続契約かSBI損保でがん保険も契約している場合に適用されるプレミアムサービスの2種類があります。
無料サービスだけでも充実していますが、プレミアムサービスでは、キー紛失時の開錠とキーの作成が無料だったり、ペットの宿泊費用が10,000円を上限に2泊まで補償されたりと、プレミアムサービスならではの手厚いサポートが得られます。
保険料は「前年度に」走った分だけ
以前は走行距離による保険料の違いはありませんでしたが、2016年10月1日から以下の走行距離区分が導入されています。
・5000km超10000km以下
・10000km超15000km以下
・15000km超
走行距離別の保険料を導入している保険会社では、契約期間中に契約当初に申告した走行距離を超えた場合、保険会社に連絡して追加の保険料を請求されることが多いです。
しかし、SBI損保では、契約を申し込んだ時点までの「過去1年間の走行距離」で保険料が決まるため、保険期間中に年間走行距離の変更や申請は不要です。
この点は、他社と比べると安心して契約できる大きなポイントになるのではないでしょうか。
SBI損保の自動車保険の評判は?
実際のユーザーはSBI損保の自動車保険についてどう評価しているか、実際の口コミ情報を調べてみました。
よい評価
- 不要な特約の自動付帯がなく、保険料を必要な保障だけで抑えることができる。
- バッテリー上がりで2回コールし、2回とも30分以内で対応してくれた。
- 国内の大手損保会社から乗り換えたところ、保険料が4割近く安くなって驚いた。
- 事故対応について、受付から示談交渉までスムーズに対応してもらい、本当に助かった。
悪い評価
- 事故対応がよくない。平均数週間、ひどい時は丸1ヶ月も連絡が来なかった。それに対する説明も一切なく、担当者が事故内容を把握していない。
- 契約して1カ月後に、記載内容の不備を理由に一方的に契約を打ち切られた。
- 事故の受付窓口への電話がなかなかつながらない。
私個人の評価
ここからは一ユーザーだった私の経験から評価したいと思います。
ちなみに、契約期間中事故は起こしていないため事故対応についてはわかりません。
■保険料
契約期間中、不満はありませんでした。一括見積もりサービスを利用して他社と比較したなかでは、ずっと最安でした。
■ロードサービス
ロードサービスについては、ガス欠になったときに一回だけコールしました。
これは5年ほど前の話です。
週末の昼間でしたが、混雑で待たされることもなくすんなりとつながりました。
オペレーターの女性の応対は丁寧でしたが、修理拠点が離れていて到着に1時間以上かかると言われました。
仕方ないので自力で近くのガソリンスタンドを探して何とか対応しました。
もっとも、今は拠点も当時より増えているため状況は改善されているかもしれません。
■乗り換えを決めた理由
SBI損保に契約中、特に不満もなく、保険料を比較するといつも最安だったので3年継続しました。
それが乗り換えを決めた理由は、車両切り替え時の対応でした。
3年目の契約期間の途中で車を買い替えたため、車両切り替えの手続きが必要になりました。
当時の契約は車両保険なしでしたが、買い替えを機に車両保険をつけるつもりでした。
早速購入が決まって車両入替の連絡をしたところ、オペレーターから意外な回答が返ってきました。
「SBI損保では後から車両保険はつけられません」
どこにもそんなことは書いていないと言っても「決まりですから」の一点張り。
まともに話を聞いてもらえませんでした。
あまりにひどいオペレーターの対応に他社への乗り換えも考えました。
しかし、期間途中の手続きは大変そうだったので、そのまま手続きを進めて車両入替は完了しました。
幸い残りの契約期間を無事故で乗り越え、いよいよ更新のタイミングで車両保険をつけるつもりでした。
ところが、ネット上で見積もりを取ると「お客様の車には車両保険がつけられません」と言われてしまいました。
SBI損保では高年式の車には車両保険がつけられないようで、私の8年目を過ぎた愛車ではダメでした。
結局、車両保険がつけられないという残念な理由で乗り換えを決めました。
私のような中古車に車両保険をつけたい場合は(SBI損保に限らない話ですが)事前にその車が車両保険の対象になるかを確認することをおすすめします。
SBI損保の自動車保険でおすすめの補償内容は?
SBI損保で見積をとると自動的に3つのプランが提示されます。
自動的に提示される3つのプラン
保険料と補償内容のバランスが取れたプランです。
・充実プラン
特約をフルにつけて、補償金額も高く設定されたプランです。
・シンプルプラン
搭乗者傷害なし、車両保険はエコノミーと基本的な補償で保険料を抑えたプランです。
各プランの設定項目は以下の通りになっています。
おすすめプラン | 充実プラン | シンプルプラン | |
---|---|---|---|
対人賠償 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
対物賠償 | 無制限 | 無制限 | 無制限 |
人身傷害種類 | 自動車事故のみ | 自動車事故のみ | 自動車事故のみ |
人身傷害金額 | 5000万円 | 2億円 | 5000万円 |
搭乗者傷害 | 1000万円 | 2000万円 | なし |
無保険車障害 | 2億円 | 2億円 | 2億円 |
自損事故 | 1500万円 | 1500万円 | 1500万円 |
車両保険種類 | 一般 | 一般 | 車対車 |
車両保険自己負担額 | 0-10万円 | 0-10万円 | 5-10万円 |
特約 | ※1 | ※2 | なし |
※1
・対物差額修理費用補償特約
・車両損害に関するレンタカー費用補償特約(車両損害時のレンタカー費用:支払限度日額5000円)
・車内外身の回り品補償特約(30万円)
・自転車事故補償特約(賠償責任:1事故につき1億円 死亡・後遺障害:1名につき1000万円 医療:定額払)
※2
※1に加えて
・全損時諸費用保険金特約
・自宅・車庫等修理費用補償特約
・車両損害に関するレンタカー費用補償特約(車両損害時のレンタカー費用:支払限度日額10000円)
・個人賠償責任危険補償特約(1事故につき1億円)
SBI損保の自動車保険でおすすめのプランや特約は?
上記のプランのうちでは、「おすすめプラン」を基本として修正するとバランスのよい設定ができると思います。
私自身もSBI損保を利用していたときは「おすすめプラン」から契約内容を決めていました。
ただ、私の等級は20等級なので補償を厚くしても保険料は比較的安いこともあり、つけられる特約は厚めにつけていました。
そんな私がおまかせプランから変更して契約していた内容はこちらです。
特約:自転車事故補償特約以外を外して弁護士費用特約をつける
人身傷害は生命保険からも保険金が出るので減額していました。
搭乗者傷害は不要という方も多いですが、ゼロにしても保険料の差額は1000円未満だったのでそのままにしました。
特約は「自転車事故保障特約」は必須、他はお好みでよいと思います。
自転車特約は比較的少ない保険料負担で自転車事故を起こしたときの相手への補償と、自分やご家族への傷害補償の両方が得られます。
ただし、生命保険など他の保険でカバーされている場合は、重複しても保険金が支払われないので事前に確認することをおすすめします。
また、保険会社によっては「人身傷害」でカバーできる場合もあります。
そして、特約では「弁護士費用特約」も必須です。
もらい事故などで自分が被害者となったとき、弁護士への示談交渉依頼費用を300万円を上限に保険会社が負担してくれます。
保険の交渉は素人には無理なので、保険料重視であってもこの特約はつけることをおすすめします。
SBI損保の自動車保険のデメリットとは?
保険料以外の評価が低い
価格.comの「保険料満足度ランキング」では連続1位を更新しているSBI損保ですが、そのほかの項目(補償内容、顧客対応、事故対応)満足度ランキングではいずれも>ベスト3圏外です。
また、顧客満足度に関する国際的な専門調査会社であるJ.D. パワー社の「2018年自動車保険新規加入満足度調査」では、ダイレクト系保険会社9社を比較したランキングで、以下の結果でした。
・契約者満足度ランキング 5位
・事故対応満足度ランキング 9位(最下位)
新規加入時の満足度は高いのに、いざという事態が発生したときの満足度が著しく低い結果になっています。
この結果から推測すると、大手の損保会社から乗り換えたりするなど、契約時点では安い保険料に対する高い満足度を軸に評価が高かったのに対し、事故対応や電話応対などの顧客との直接対応に関して評価を落としているようです。
価格.comと並んでよく参照されるオリコンの顧客満足度ランキングでも、2019年最新版ではダイレクト型の保険では8社中8位とここでも最下位となっています。
保険料の優位性も以前ほどではなくなっている
「保険料が安い」ことが特徴であることに変わりはありません。
しかし、私が契約していた当時ほどの圧倒的な安さを今は感じなくなってきました。
例えば、オリコンの保険料満足度ランキングでは、2016年までは8年連続1位だったものの、2017年に3位に後退して以来、2018年3位、2019年4位と順位を落としています。
これは、走行距離別の保険料制度が導入されたり、35歳以上の年齢条件区分が廃止されたりと、一部の利用者層にとっては値上げにつながる変更が行われたことも影響しているかもしれません。
また、事故対応などの顧客満足度が低いことも「安かろう悪かろう」という印象につながり、保険料に対しても評価が厳しくなっているものと思われます。
ただし、全体的な水準としては依然として保険料自体は安いのは間違いないので、自動車保険一括見積もりサイトを活用するなどして、他社と比較してみることをおすすめします。
まとめ
- SBI損保の特徴は「保険料の安さ」「ロードサービス」「保険料は前年度に走った分だけ」です。
- 保険料とロードサービスに関しては良い内容の口コミ情報が多いです。
- 事故対応に関しては口コミ、ランキングともに評価が低いので今後の改善が期待されます。