
キャラクターのジャパンダはかわいいけど、自動車保険の内容はどうなんだろう?
長すぎる社名はようやく短くなったけど・・・?
という、損保ジャパンについての疑問にお答えします。
・多彩な割引制度の適用が受けられそうな人
・万が一の入院時の補償を手厚く受けたい人
もくじ
損保ジャパンはどんな保険会社?
損保ジャパンは、2014年9月1日に、損害保険ジャパンと日本興亜損害保険が合併し、損保ジャパン日本興亜として発足しました。
合併した会社同士もそれぞれ合併して誕生した会社(損保ジャパンは安田火災海上と日産火災海上、日本興亜損保は日本火災海上と興亜火災の合併後、太陽火災海上を吸収合併)という複雑な経緯を経て現在に至ります。
この長い社名は、合併当時、石原軍団出演のCMも話題になりましたが、何よりも「わかりにくい」「書くのが大変」「長すぎて書ききれない」と、悪い意味でも話題になっていました。
その長かった社名も、合併後5年以上の時を経て2020年4月1日付で「損害保険ジャパン」に変更されました。
損保ジャパンの自動車保険の特長は3つ
損保ジャパンの自動車保険(任意保険)には、個人・一般家庭向けの「THE クルマの保険」と主に法人向けの「SGP」がありますが、ここでは「THE クルマの保険」についてまとめます。
「THE クルマの保険」の特長は以下の3つです。
ドライブレコーダーを活用した運転支援サービス「ドライビング!」
2017年4月から提供されている有料のオプション(特約)である「DRIVING!(ドライビング!)」は、通信機能付きの専用ドライブレコーダーを活用した安全運転支援サービスで、月額850円(年額では9,720円)です。
運転に不安があったり事故時の対応が心配だったりする方は、主に以下のようなサービスが受けられますので、検討してみるのもよいのではないでしょうか。
「つながる」事故対応サポート
事故発生時は現場の安全確保や警察への連絡、ケガをした場合は救急車の手配など対応しなければならないことがたくさんありますが、事故の経験がない人ほど何をすればよいかパニックになりがちです。
そこで、事故発生時にはドライブレコーダーから自動的に損保ジャパンや登録したご家族、保険代理店などへ連絡されます。
また、ALSOKのガードマンが事故現場へ急行、事故対応をサポートしてくれる「ALSOKかけつけ安心サービス」も利用できます。
運転中のサポート機能
パナソニックと共同開発した高性能ドライブレコーダーが運転中の映像や走行データを自動的に記録。事故発生時に活用されます。
また、事故を未然に回避、軽減するために、画面表示と警告音で注意喚起する(前方衝突、車線逸脱、前方車両発進、逆走など)機能を搭載して、安全運転をサポートしてくれます。
運転力をデータで見える化
ドライブレコーダーが記録したデータを分析して運転診断レポートを作成します。
月間の運転診断レポートは専用のスマホアプリやWeb上のドライバーズページからいつでも参照できます。
さらに、スマホアプリでは運転ごとにレポートを見られます。
レポートでは運転評価を5段階のランクで表示するほか、アクセル、ハンドル、ブレーキの区分ごとの評価や、事故につながる可能性があったヒヤリハット(急ブレーキ、急ハンドル、急アクセル)の発生地点を地図上に表示します。
これらのレポートで日々の運転をチェックし、振り返ることで、運転技術の向上が図れます。
2021年8月31日以前の契約者向けのサービス内容
上記は2021年9月1日から現在のサービス内容です。それより前、2021年8月31日までの契約者向けのサービスは一部異なっていますので、参考までに以下ご紹介します。
運転中のサポート機能
専用ドライブレコーダーが運転中の映像や走行データを自動的に記録。データは事故発生時に活用されます。
運転中に前を走る車との適切な車間距離を促す「車間アラート」機能も搭載し、運転中の安全や安心もサポートしてくれます。
事故対応サポート
事故発生時は現場の安全確保や警察への連絡、ケガをした場合は救急車の手配など対応しなければならないことがたくさんあります。
しかし、事故の経験がない人ほど何をすればよいかパニックになりがちです。
そんなときにも、事故発生時にはドライブレコーダーから自動的にご家族や損保ジャパンなどへ連絡されます。
また、必要に応じてALSOKのガードマンが事故現場へ急行、事故対応をサポートしてくれます。
運転後のメンテナンス機能
ドライブレコーダーが記録したデータを分析して運転診断レポートを作成します。
レポートは専用ページからいつでも参照できるので、自分の運転の振り返りや安全意識の向上に役立ちます。
専用ページでは、パソコン上で運転技術の向上に役立つトレーニングもできます。
独自の割引制度
ゴールド免許割引のようなほとんどの会社で適用される割引制度のほかに、独自の割引制度があります。
走行特性割引は、DRIVING!のドライブレコーダーが取得した走行情報をもとに算出される「運転特性スコア」が80点以上の場合、翌年の保険料を5%割り引く仕組みです。
運転特性スコアは急アクセル、急ブレーキ、急ハンドルや制限速度超過など危険な運転を避けて安全運転を心がけることで高いスコアを取りやすくなります。
安全運転割引は、無料のカーナビアプリ「ポータブルスマイリングロード」を使った安全運転診断で優秀な結果を挙げた、新規契約の6、7等級の方向けに最大20%割引が適用されます。
20%割引を受けられるのは、6(S)等級で、運転診断の結果が80~100点だった場合です。
最初の保険料は高額なので、安全運転できれば保険料の負担が大きく軽減されます。
また、65歳以上優良割引は、20等級かつ事故有係数適用期間が0年で契約開始日の記名被保険者の年齢が65歳以上の場合、保険料が3%割引されます。
入院時の手厚い補償が得られる特約
人身傷害保険の保険金支払い対象となる事故で入院した場合に役立つ特約として、人身傷害入院時諸費用特約があります。
入院中および退院後30日以内の期間を対象にして、家事や介護のヘルパー費用やお子さんの保育やペットの世話、退院後の快気祝いなどの費用に関しても保険金を得られます。
この特約をつけると、上記費用を一定の限度額以内で補償されるだけでなく、家事のヘルパーサービスとお見舞返しのサポートがキャッシュレスで利用できるので、事故直後に一時的に大きくなる経済的負担をさらに増えすことなく利用できます。
2021年8月31日以前の契約者向けのページはこちら
損保ジャパンの自動車保険のメリット・デメリットとは?
損保ジャパンの自動車保険のメリットとデメリットを私なりの視点で整理しました。
損保ジャパンの自動車保険のメリット
メリットは、スマホのアプリやドライブレコーダーを使った「先進のサポート」が受けられる点が挙げられます。
特に、初めて自動車保険に加入する6S等級の方には、アプリによる運転診断でいい成績を出せば初年度の保険料が20%割引されるチャンスがあります。
また、「ドライビング!」を利用することで、ALSOKかけつけ安心サービスによる事故現場での初期対応サポートが受けられます。
したがって、代理店型の自動車保険を選びたい方のなかでも、特に初心者や運転に自信がない方におすすめの自動車保険です。
損保ジャパンの自動車保険のデメリット
代理店型の自動車保険に共通するデメリットとしては、ネット自動車保険各社よりも保険料が高いことや、申し込みや契約を含む諸手続きの対応の良し悪しが担当代理店次第になることが挙げられます。
また、ロードサービスについては、無料対応の内容が必要最低限に絞られています。
事故で車が使えなくなったときの交通費や宿泊費、修理された車の引取費用は、代車等諸費用特約(30日型)を有償で付帯しない限り全額自己負担です。
保険料も5000円以上かかるため割高な印象があります。
損保ジャパンの自動車保険の評判は?
実際のユーザーは損保ジャパンの自動車保険についてどう評価しているか、実際の口コミ情報を調べてみました。
よい評価
- 他社から乗り換えたら値段はほぼ同じだったが補償内容が良くなった。
- ネット型自動車保険では断られることが多い外車でも加入できるので、高級車の保険としておすすめ。
- 担当者の対応が親切丁寧、相手との折衝状況などを細かく連絡いただいた。
悪い評価
- 事務処理に弱い。書類の送付依頼しても一度で届かなかったり、送った送付を紛失したり。そんなに簡単に顧客が書いた書類を紛失するかとあきれた。
- 盗難にあったのに保険金を支払わないと言われている。警察は盗難届を受理し、捜査中にもかかわらず。
- 過失ゼロで全損状態になってしまったが、相手が任意保険未加入のため自分の車両保険を使った。事故車扱いになるにも関わらず修理と言ってきた。結局全損が認められず買い替えるしかなかった。これでは車両保険に入った意味がない。
損保ジャパンの自動車保険でおすすめの補償内容は?
まずは、損保ジャパンの自動車保険の詳細です。
補償内容
相手への補償 | |
対人賠償責任保険 | 自動車事故で他人を死傷させたときの補償 |
対物賠償責任保険 | 自動車事故で他人の財物に損害を与えたときの補償 |
対物全損時修理差額費用特約 | 事故相手の車の修理費が時価を超えた場合、50万円を限度に補償 |
他車運転特約 | 他人の車を運転中に起こした事故の補償 |
被害者救済費用特約 | 車の欠陥、ハッキングなどが原因の法律上自分に賠償責任がない事故で他人に損害を与えたときの補償 |
自分や同乗者への補償 | |
人身傷害保険 | 自動車事故で自分や同乗者が死傷したときの補償 |
無保険車傷害特約 | 無保険の車との事故で自分や同乗者が損害を受けたときの補償 |
その他の補償 | |
ロードアシスタンス特約 | 事故や故障で自力走行できなくなったときにレッカー費用、クレーン作業費用を15万円を限度に補償 |
割引制度
割引種類 | 備考 |
---|---|
証券不発行割引 | 年間240円 |
ゴールド免許割引 | 割引率:最大15% |
新車割引 | 保険始期月が初度登録年月から49ヶ月以内 |
ASV割引 | 割引率:9% |
ハイブリッド電気自動車割引 | エコカー割引:割引率3% |
福祉車両割引 | 割引率:3% |
セカンドカー割引 | |
2台目割引 | ノンフリート多数割引 |
65歳以上優良割引 | 割引率:3% |
安全運転割引 | 6、7等級限定 |
事故対応
― | 概要 | 備考 |
---|---|---|
現場急行サービス | ALSOKかけつけ安心サービス | 「ドライビング!」利用者のみ利用可能 |
事故受付時間 | 24時間365日 | |
事故発生時の対応 | ・代車手配 ・修理工場の紹介/連絡 ・病院への連絡 | ALSOKかけつけ安心サービス利用者は ALSOK隊員が現場で以下をサポート ・現場での安全確保 ・救急車手配 ・警察への届出に関するサポート ・事故状況の確認 ・現場写真撮影 ・ロードアシスタンスの出動要請 ・損保ジャパン日本興亜への事故報告 |
特長 | 24時間365日事故受付 「ドライビング!」利用者は希望によりALSOK隊員が現場で初期対応をサポート |
ロードサービス
項目 | 内容 |
---|---|
拠点数 | 約13,000ヶ所 |
無料レッカー範囲 指定工場以外の上限 | 最大15万円まで |
現場対応可能時間 | 30分程度 |
ガス欠時のガソリン代 | 年一回10Lまで |
キー閉じ込み時の開錠 | ○ |
キー紛失時の開錠・キー作成 | × |
バッテリー上がり時のジャンピング | ○ |
パンク時のスペアタイヤ交換作業 | ○ |
タイヤボルト増し締め | × |
油脂類代 | × |
冷却水代 | × |
各種灯火類のバルブ代 | × |
落輪引き上げ | クレーン作業を含む |
修理後搬送費用 | × |
修理後車両引取り費用(※) | 往路1名分、15万円限度 |
宿泊費用(※) | 1泊1名1万円まで |
帰宅/目的地到着費用(※) | 1人当たり2万円まで (タクシー、レンタカーは1台2万円まで) |
※ オプションの代車等諸費用特約(30日型)が必要 |
見積時に自動的に提示される3つのプラン
損保ジャパンで見積をとると自動的に2つのプランが提示されます。
車両保険や弁護士特約の範囲を限定するなど保険料を抑えたプランです。
・補償充実プラン
自転車乗車中の事故をフォローする個人賠償責任特約なども付帯したプランです。
それぞれのプランの内容は以下の通りです。
エコノミープラン | 補償充実プラン | |
---|---|---|
対人賠償 | 無制限 | 無制限 |
対物賠償 | 1000万円 | 無制限 |
対物超過修理費用特約 | ○(自動付帯) | ○(自動付帯) |
人身傷害種類 | 人身傷害車外事故特約有 | 人身傷害車外事故特約有 |
人身傷害金額 | 3000万円 | 5000万円 |
搭乗者傷害 | なし | なし |
無保険車傷害 | 無制限 | 無制限 |
自損事故 | 人身傷害に含む | 人身傷害に含む |
車両保険種類 | 車対車+限定危険 | 一般 |
車両保険自己負担額 | 0-0万円 | 0-0万円 |
主な特約 | 弁護士費用特約(自動車事故限定型) | 車両全損修理時特約 個人賠償責任特約 弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型) |
損保ジャパンの自動車保険でおすすめのプランや特約は?
上記のプランのうちでは、「補償充実プラン」を基本として特約を取捨選択していくのがよいと思います。
すでに、弁護士特約や個人賠償責任特約がセットされているので、最低限の特約は付帯しています。そのため、保険料を安くするために車両保険の内容を検討してみたいと思います。
セットされた内容では、車両保険の免責金額が「0-0万円」となっています。自己負担は2回事故を起こした場合でもゼロですが、その分保険料は高くなります。これを「5-10万円」にすると保険料が1万円程度安くなります。
また、特長としてご紹介した「人身傷害入院時諸費用特約」は500円程度でつけられるので、入院時の補償を重視する方は検討してみる価値はあると思います。
オプションで追加できる補償・特約には以下のような特約があります。★はおすすめの特約です。
自分や同乗者への補償 | |
人身傷害車外事故特約 | 他人の車の運転中や歩行中の事故でも人身傷害保険で補償される。 |
人身傷害入院時諸費用特約★ | 事故で入院したときの家事援助やペットの世話などの費用を補償 |
人身傷害死亡・後遺障害定額給付金特約 | 事故で死傷した際に程度に応じた定額給付金が支給される |
自分の車の補償 | |
車両保険 | 自分の車が受けた損害に対する補償。 エコノミータイプは「車対車+限定危険」 |
無過失事故の特則 | 自分の過失がない事故で受けた損害で保険を使ってもノーカウント事故として扱われる(車両保険に自動セット) |
地震・噴火・津波車両全損時一時金特約 | 通常の車両保険で補償されない災害(地震・噴火・津波)による損害に対する補償。 |
車両新価特約 | 修理費が新車価格の保険金額の50%以上の損害を受けたときの新車の購入費を補償。 |
全損時諸費用再取得時倍額特約 | 車が全損したときに車両保険金額の10%の保険金が支払われる。 |
車両全損修理時特約 | 車の修理費が車両保険金額を上回ったとき差額について最大50万円まで補償。 |
車内積載動産特約 | 事故で車内の動産(カメラ・ゴルフセットなど)が受けた損害に対する補償。 |
故障運搬時車両損害特約 | 故障で走行不能になりレッカーけん引されたときの故障損害を補償。 |
その他の補償 | |
弁護士費用特約(日常生活・自動車事故型) ★ | 示談交渉のため弁護士を依頼したいときの補償。自動車事故以外の事故でも使用できる。 |
弁護士費用特約(自動車事故限定型) | 示談交渉のため弁護士を依頼したいときの補償。ただし、自動車事故に限る。 |
個人賠償責任特約 | 日常生活で他人を死傷させたり損害を与えたりしたときの補償 |
ファミリーバイク特約 ★ | 125㏄以下のバイクを運転中の事故に対して対人・対物賠償、傷害を補償。 |
ドライブレコーダーによる事故発生時の通知等に関する特約(ドラレコ特約) | 安全支援サービス「ドライビング!」が利用できる。 |
代車等諸費用特約(30日型) | 故障で走行不能になりレッカーけん引されたときの移動・宿泊・引取費用を補償。 |
代車費用の補償日数短縮特約(15日型) | 代車等諸費用特約の支払い対象期間を短縮する。 |
まとめ
- 損保ジャパン「THE クルマの保険」の特徴は「ドライブレコーダーを活用したサービス」「独自の割引制度」「手厚い入院時の補償」です。
- オプションですが、事故現場急行サービスを受けられるのはメガ損保のなかでも損保ジャパンだけです。(2019年5月時点)
- 代理店型の自動車保険で比較すると、初めての自動車保険を契約する初心者ドライバーに対してコスト・サービスの両面でメリットがあります。
自分にあった自動車保険を選ぶには、複数の保険会社から見積もりを取り、内容を比較して検討することが重要です。
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