セコム損保の自動車保険について知りたい!
セコムといえばセキュリティ業界では最大手で、警備といえばセコム、という感じだけど損害保険のイメージはあまりなかったなあ。自動車保険はどんな内容になっているんだろう・・・?
という、セコム損保についての疑問にお答えします。
・年間走行距離が多い人
・ロードサービスは不要でシンプルな保険が好きな人
もくじ
セコム損保はどんな保険会社?
セコム損保は、警備会社として知られるセコム傘下の保険会社です。
前身は1950年に設立された東洋火災海上保険で、1998年にセコム傘下に入った後、2000年10月から現社名になっています。自動車保険の他に、がん保険や火災保険も取り扱っています。
とはいえ、セキュリティとは違って、損保に関しては他社のような派手なCMやキャンペーンはやっていないせいか、知名度は決して高くないのではないでしょうか。
実際に、私はセコム損保のがん保険と火災保険に加入していますが、どちらも相談したファイナンシャルプランナーから紹介されなければ知りませんでした。しかし、保険の内容はどちらも他社との比較で一番良いと考えて契約しました。
自動車保険に関しても、補償内容は手堅くまとめられているように思います。
ソルベンシーマージン比率は、2017年度で619.4で、ネット自動車保険業界の中では高い値になっています。
参考:ネット自動車保険各社のソルベンシーマージン比率(2017年)
※ 上から保険料収入順
保険会社名 | ソルベンシー マージン比率 |
---|---|
ソニー損保 | 782.1 |
アクサダイレクト | 782.5 |
チューリッヒ | 624.1 |
三井ダイレクト | 457.5 |
SBI損保 | 366.1 |
セゾン自動車火災 | 463.9 |
イーデザイン損保 | 282.4 |
そんぽ24 | 1081.6 |
セコム損保 | 619.4 |
セコム損保の自動車保険の特長は3つ
セコム損保の自動車保険の特長は以下の3つです。
走行距離に関わらず一定の保険料
ネット自動車保険では多くの会社が「距離別」「走った分だけ」の保険料を大きく打ち出しているのに対して、セコム損保の「安心マイカー保険」では、走行距離には関わらず一定の保険料となっています。
相対的に走行距離が短い人のほうが多いため、契約者を獲得するためにはそちらを重視するほうがよいと考えるのが普通にも思いますが、セコム損保はあえて別路線を取っているようです。
ユーザー視点で見れば、選択肢は多いほうがよいですし、年間走行距離が多い人にとってはメリットがあるので今後も変わらずに続けてほしいと個人的には思います。
24時間365日、事故現場に緊急対処員がかけつける現場急行サービス
セコム損保の最大のウリが「現場急行サービス」です。24時間365日、事故の連絡を受けると提携するセコムの緊急対処員が契約者の関係者として、現場に急行し、事故の初動対応に当たってくれます。
事故直後は動揺して正常に行動できないことも考えられるので、そのようなときに自分側の関係者として対応をサポートしてくれるのはとても心強いサポートといえます。
最近では、セコム自体が他のネット自動車保険会社にもこのサービスを提供していますが、セコム損保では1998年12月から20年以上提供している、いわば老舗でもありますので、安心して任せられるのではないでしょうか。
基本補償が充実していること
後述しますが、セコム損保のマイカー保険では、自動的にセットされる基本補償が充実しています。例えば、対人倍書、対物賠償の限度額は無制限に決められています。
また、他社では人気のオプションの一つである「車両超過修理費用特約」が自動セットされますので、賠償に関する備えとしては万全です。
セコム損保の自動車保険の評判は?
実際のユーザーはセコム損保の自動車保険についてどう評価しているか、実際の口コミ情報を調べてみました。
よい評価
- さすが警備会社という感じの人が来てくれるので、頼もしさがあった。
- 見積が比較的安く、電話対応の感じがよかったのが決めてになって他社から乗り換えた。
- 現場急行サービスはとても重要で本当に心強い。
悪い評価
- 保険担当者の対応が遅く、態度も横柄。完全に契約者を見下した対応だった。
- 事故発生から2ヶ月。調査会社とも話が終わって、被害届も警察に受理されているのに未だに事故認定されず放置されている。
- 夜の早い時間帯に故障でレッカーを手配したが待っても一向に来なかった。故障対応の受付が最悪だった。
セコム損保の自動車保険でおすすめの補償内容は?
まずは、セコム損保の自動車保険の詳細です。
自動セットされる補償が充実している補償内容
自動セットされる補償 | 選択できる補償 | 備考 | |
---|---|---|---|
相手への補償 | 対人賠償 対物賠償 対物超過修理費用補償特約 | ||
自分や同乗者への補償 | 人身傷害 無保険車傷害特約 自損事故傷害特約 | 搭乗者傷害 | |
自分の車の補償 | 車両保険 車両無過失事故に関する特約 車両搬送時諸費用特約 | 車両全損時臨時費用特約 車両超過修理費用特約 事故代車費用特約 身の回り品補償特約 | |
オプションの補償 | 他車運転特約 被害者救済費用等補償特約 | 弁護士費用特約 個人賠償責任補償特約 ファミリーバイク特約 |
長期契約者に嬉しい継続割引や無事故割引など豊富な割引プラン
特約名 | 有無 | 備考 |
---|---|---|
インターネット割引 | あり | 新規3,500円割引、継続2,000円割引 |
証券不発行割引 | あり | 500円割引 |
ゴールド免許割引 | あり | 最大約15%割引 |
新車割引 | あり | 保険始期月が初度登録年月から25ヶ月以内 (車両保険は49ヶ月以内) |
ASV割引 | あり | |
長期優良契約割引 | なし | |
ハイブリッド電気自動車割引 | なし | |
福祉車両割引 | なし | |
障害者割引 | なし | |
無事故割引 | なし | |
セカンドカー割引 | あり | |
2台目割引 | なし | |
早期契約割引(早割) | なし | |
継続割引 | なし |
事故対応は24時間365日受付で緊急対処員が現場に急行
― | 概要 | 備考 |
---|---|---|
事故受付時間 | 24時間365日 | セコムの緊急対処員が現場に急行 |
事故発生時の対応 | ・現場での安全確保 ・警察、救急への連絡やレッカー手配など ・契約者のケガ、事故状況の確認 ・目撃者の確認 ・事故相手への対応 ・現場写真撮影 ・セコム損保へ連絡 | 左記対応をセコムの緊急対処員が現場で実施 |
拠点数など | セコム拠点2800ヵ所 | |
特長 | 24時間365日事故受付後、セコムの緊急対処員が現場に急行して初期対応を実施 |
ロードサービスは無料だが最低限のレベル
― | 概要 | 備考 |
---|---|---|
受付 | 24時間365日 | |
レッカーサービス | 車両引取費用と合算して20万円までサポート レッカー距離の目安は250km | 車両搬送時諸費用特約から保険金として支払われる |
特徴的なサポート | バッテリー上がりの対応は期間中何回でも可能 | |
特長 | レッカー費用以外の宿泊費、移動費などは特約(車両搬送時諸費用特約)から保険金として支払われる |
見積時に自動的に提示される2つのプラン
セコム損保では、あらかじめ2つのプランを提示しています。
- エコノミープラン
補償と保険料のバランスを取った「シンプルな補償で保険料を安くしたい」人向けのプランです。車両保険をつけない場合は、対物賠償の免責額が3万円に設定されるほか、車両保険をつける場合は限定タイプとしてなるべく保険料を抑えるプランです。 - 契約率No.1プラン
セコム損保の「マイカー保険」の補償内容のなかで、契約者に支持されているものをまとめたプランです。車両保険は一般型で免責ゼロなので自己負担が不要な設定です。搭乗者傷害もセットされ、かなり手厚い補償になっている印象ですが、セコム損保では「標準的な補償」をお求めの方向けのプランとされています。
プランの提案内容はそれぞれ以下の通りです。
エコノミー | 契約率No.1プラン | |
---|---|---|
対人賠償 | 無制限 | 無制限 |
対物賠償 | 無制限 | 無制限 |
対物超過修理費用特約 | ○ | ○ |
人身傷害種類 | 搭乗中のみ | 搭乗中のみ |
人身傷害金額 | 3000万円 | 3000万円 |
搭乗者傷害 | なし | 1000万円 |
無保険車傷害 | 無制限 | 無制限 |
自損事故 | 1500万円 | 1500万円 |
車両保険種類 | 限定 | 一般 |
車両保険自己負担額 | 10-10万円 | 0円 |
特約 | 他車運転特約 事故搬送時諸費用特約 | 他車運転特約 事故搬送時諸費用特約 |
セコム損保の自動車保険でおすすめのプランや特約は?
保険料を重視するなら、「エコノミー」の内容で基本は良いと思います。追加する特約があるとすれば、管理人おすすめの弁護士特約は必須で、後は家族の誰かが日常的に自転車に乗る方は、個人賠償責任補償特約を検討するくらいではないでしょうか。
セコム損保独自という特約はなく、どの保険会社でも選ぶことができるオーソドックスな内容の補償が揃っています。
セコム損保の自動車保険のデメリットとは?
セコム損保のデメリットにはどんなものがあるでしょうか。
保険料が安くない
走行距離を問わず保険料が一定に設定されていることだけが原因ではないと思いますが、全体的にネット自動車保険のなかでは高めです。年間走行距離が10,000kmを超えるような人であれば、メリットが実感できるかもしれません。
また、下にも書いた通り、ロードサービスは他社より見劣りしますが、サービスを外して保険料を安くすることもできないので比較して見積もりを取った時に割高な印象を与えるかもしれません。
ロードサービスには期待できない
セコム損保の自動車保険に無料で付帯するロードサービスは、ホームページや口コミ情報から得られる情報を見る限り、他のネット自動車保険各社と比べると若干見劣りする内容になっています。
レッカー移動は、距離ではなく金額で制限されています。応急対応含めて20万円という制限は、レッカー距離の目安としては250km程度と書かれていますが、実際には修理後の車両引取費用も合算されます。あまりに自宅から離れた場所で事故にあったときの対応が気になります。
また、スタックした車の引き出しや落輪の引き上げは無料対応の対象外です。特に脱輪対応がないのは普通のロードサービスを期待している人には理解されにくく、事故時にトラブルにならないか心配です。
そして、ロードサービスの拠点数や提携の修理工場数などは非公開なので、他社と比べて充実しているのかどうかの目安もありません。
他社の情報を知らず、セコム損保のパンフレットやホームページしか見ていなければ気が付きませんが、他社と比較すると、ロードサービスには期待できないという気分になります。
情報が少なく不安
ロードサービスに関する情報が少ないことを書きましたが、全般的にホームページに掲載されている情報が少なく、本当に大丈夫なのか不安になります。
例えば、セコム損保のセールスポイントであるはずの「現場急行サービス」に関して、こんなことが書かれています。
事故現場が山間部、島しょ部、高速道路上など、急行不能な一部エリアおよび事故現場が特定できない場合、また天災・大規模災害等の影響により事故現場への到着ができない場合などについては、現場急行サービスは提供されません。また、事故現場に急行する緊急対処員はセコム損保の社員ではありません。セコム損保の委託を受けて現場に急行いたしますが、示談交渉等についてはセコム損保の専門スタッフにおまかせください。
「現場急行サービスが提供されない場合」の対応がどこにも書かれていません。事故受付が24時間365日で、現場急行サービスも24時間365日対応であればよいですが、サービスが提供されない場合、電話対応のオペレーターはどう対応するのか、いつまでなら初動対応が可能なのか、など重要と思われるポイントについても記載されていません。
また、ホームページでは必要な情報が探しにくいか、内容が薄いかで今一つ知りたいことがわかりませんでした。
意図的にそうしているのかわかりませんが、セコム損保の自動車保険が今一つシェアを伸ばせないのはこのような対応も一つの原因なのではないかと思います。
知りたい情報をわかりやすく公開することで、ユーザーが安心して選択できるような工夫をする必要があるのではないでしょうか。
まとめ
- セコム損保の特長は「走行距離に関わらず一定の保険料」「現場急行サービス」「充実した内容の基本補償」です。
- 基本補償は充実していますが、保険料そのものはネット自動車保険としては高めです。
- ロードサービスは他社と比較するとおまけ程度だと考えたほうがよいです。