大変だ!交差点で一時停止を無視した車に衝突されてしまった!
絶対10対0で相手の責任だからきっちり話をしなければ・・・と思ったら、降りてきた車の相手はなんと外国人!
日本語は全然わからないし、こちらも日本語以外は話せないので会話にならない。
誰か言葉のわかる人いないかな・・・( ;∀;)
という、外国人相手の事故に巻き込まれて対応に困っている人のそんなお悩みにお答えします。
2020年5月9日:最新状況を反映して内容を大幅に書き換えました。
もくじ
外国人が増えているという事実を知ろう
最近どこに出かけても、外国人が増えたという印象があります。観光客が増えているのはもちろんですが、コンビニの店員がすべて外国人ということも珍しくありませんし、働く現場でも増えているように思います。
在留外国人数は全人口の約2%
法務省が2018年9月に発表した統計によれば、2018年6月末時点の日本に在留する外国人は263万7251人(速報値)で前年末に比べて7万人ほど増加しているそうです。これは、統計を開始した1959年以降で最も多く、日本の総人口約1億2659万人の約2%にあたります。労働者不足を外国人で補いたい日本政府の方針もあって、今後さらに増加することは明らかです。
外国人旅行者も増加する一方
また、外国人旅行者の数は、平成が始まった1988年の約235万人から30年後には約3119万人と10倍以上になっており、インバウンド需要を喚起して経済成長につなげたいという政府の思惑もあるので、こちらもさらに増えていくことが予想されます。
外国人による交通事故も増加中
このように日本で生活、観光をする外国人が増加するなかで、外国人との間で起こる交通事故も増加しています。国土交通省の調査によれば、外国人が運転するレンタカーによる死傷事故が過去3年で約3倍になっているそうです。
出典:(公財)交通事故総合分析センター
全国的には事故件数が減少しているもの、外国人による事故件数が着々と増えていることがわかります。今後、観光客が増加すればするほど事故件数も増加するのは避けられないと思われます。
事故対応は最初が肝心!
もし、自分が交通事故にあったとき、相手が外国人だった場合の対応を想像してみてください。
日本語のできる外国人ならともかく、意思の疎通すら難しい状況だったとしたら、どう対応すればよいか慌ててしまうのではないでしょうか。
誰が相手でも事故が起こったときの初動対応は重要ですが、相手が外国人観光客だった場合は特に重要です。
事故直後に適切な対応が取れないと、補償を得られるあてもないまま帰国されて泣き寝入りすることになるかもしれません。
あるいは自分が加害者になってしまったら、どんな賠償を請求されるか想像もつかないのではないでしょうか。
したがって、外国人相手に事故を起こしてしまったときに、事故の初動対応を外国語で対応してくれるサービスは、今後重要度がますます高くなっていくものと思われます。
今後は英語対応可能な自動車保険が標準になる?
このような外国人との事故リスクが年々高まっていることを損害保険会社も重要だと考えているのか、メガ損保を中心に相次いで多言語対応を開始しています。
外国語による事故対応が可能な保険会社10選
というわけで、事故対応について外国語対応が可能な保険会社を以下にまとめました。
代理店型・ネット型合計で10社が対応しています。
代理店型はメガ損保全社を含む6社が対応しています。
一方ネット型の会社では、メガ損保系のイーデザイン損保と三井ダイレクト損保の2社だけが対応していましたが、2019年には2月にアクサダイレクトが、11月には最大手のソニー損保が相次いで対応を開始して、現在は4社になっています。
次に、各社がどの言語に対応しているのかを一覧にまとめました。
昨年ソニー損保がサービスを開始する前は、東京海上日動と損保ジャパンの2社が最多の17言語でしたが、現在はソニー損保、損保ジャパン、アクサダイレクトの3社がモンゴル語を含む最多の18言語対応を実現しています。
欧米言語よりもアジア系言語が多いのは、日本に滞在する外国人はアジア系の割合が高いことを反映していると思われます。
事実、日本政府観光局 (JNTO) 発表統計による2017年の訪日外国人数のベスト10は、
韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム
となっています。
最後に、外国語対応しているサービスについてまとめました。
各社のホームページに記載されている事故対応の内容を確認すると、ネット型の3社を除いて事故相手だけでなく契約者が外国人の場合も対応可能になっています。
サービス導入時の各社のプレスリリースを見る限り、当初は「増加する外国人旅行者」に対応するサービスのニーズにこたえるのが大きな理由になっていました。
しかし、先に書いた通り、増えているのは旅行者だけではなく在留されている外国人も含まれます。
基本的には外国人でも自動車保険の加入は可能ですが、実際に日本語が読めない、話せない方が加入したとしても、外国語対応ができていなければ、いざというときの対応が遅れてしまいます。
したがって、将来的には外国語による事故対応はほとんどの会社で契約者も対象に含まれるようになると個人的には思っています。
その方向性を示しているのが三井住友海上です。
2020年1月から事故対応における「翻訳サービス」を開始しました。
これは、事故にあった外国語を話す当事者(契約者、事故相手)と三井住友海上の担当者間のメールや手紙の内容を翻訳してくれるサービスです。
対応言語は以下の12か国語です。
英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ポルトガル語、スペイン語、タイ語、
タガログ語、ネパール語、ベトナム語、インドネシア語、ロシア語、ヒンディー語
保険金の支払いまでには、損保会社担当者とのやりとりが発生しますが、観光客の方では帰国してしまえば時差がありますし、在留外国人の方でも日中は電話連絡が難しい場合もあります。
そのため、メールや手紙による事故対応へのニーズが高まっていることから、他社に先駆けてこのサービスが開始されました。
ここ数年、外国語対応を拡充している会社が増えているので、徐々にこのサービスも広がるのではないでしょうか。
外国語対応が充実している保険会社ランキングベスト3
それでは、上記の対応状況を踏まえて、管理人がおすすめする外国語対応が充実している保険会社ベスト3をご紹介します。
1位:三井住友海上
1位は三井住友海上です。
昨年までは14か国語対応でしたが、2020年1月の翻訳サービス開始と同時に、3言語(マレー語、ミャンマー語、クメール語)を追加して17か国語対応となりました。
また、全言語で24時間受付対応可能かつ、従来から対応していた14か国語については帳票も用意されているとホームページに明記されているのは三井住友海上だけです。
事故対応以外にもロードサービスやそのほかの問い合わせにも対応しているだけでなく、事故受付のホームページには英語での案内もあります。
総合的に比較すると最も充実した対応になっていると思います。
2位:東京海上日動
2位には東京海上日動を挙げます。
対応言語は最多の18か国語です。また、翻訳サービスをのぞけば、そのほかの対応は三井住友海上と同レベルになっています。ホームページ上に英語での案内がある点も、利用者視点での配慮がされていると思います。
3位:あいおいニッセイ同和
上記2社以外で、契約者が日本語を話せない場合でも対応可能かつロードサービス対応しているのはあいおいニッセイ同和だけです。
保険料の高さや対応言語数が他社より少ない(14か国語)点はマイナスですが、事故よりも使用頻度が高いと思われるロードサービス対応している点を評価して3位としました。
外国語対応の仕組みとは
このように、各社が導入している外国語対応サービスですが、英語のみ対応しているチャブ損保以外の会社ではいずれも同じ仕組みによってサービスを提供しています。
それが「三者同時通話」対応です。下図をご覧ください。
事故連絡を受けた保険会社の担当者は、提携している外部会社に所属する通訳オペレーターに事故相手の外国人への連絡を依頼します。
依頼を受けたオペレーターは指定された外国人に連絡し、そこから通訳オペレーターを挟んで保険会社の担当者と事故相手の外国人の三者が同時通話しながら話し合いをするというものです。
この仕組みであれば、保険会社は通訳業務は完全に外部委託となるため、自社で提供するよりも準備期間も短く、運用コストも抑えられます。
ネット型の損保各社でも順次導入されており、未対応の会社も今後続く可能性は十分考えられます。
しかし、通訳オペレーターに話を通すには、事故相手の情報(使用言語や連絡先)を担当者に伝えるために、自分で事故相手から聞く必要がありそうですが、相手とのコミュニケーションが難しい場合の対応が気になります。
唯一、三者同時通話方式を取らないチャブ損保では、英語が話せる自社担当者が初めから対応してくれます。第三者が入らないことで交渉速度もスピードアップしますし、上記のような心配もありません。
チャブ損保はホームページやパンフレットなどもすべて英語対応していますので、契約者自身が英語が母語であるか、英語を理解できる外国人の方であれば、最適な保険会社と言えるのではないでしょうか。
保険会社が多言語対応していない場合の対応は?
自分が契約している保険会社が英語を含む多言語対応をしていない場合、次に頼るべき相手は「弁護士」です。
なかでも、交通事故に特化した活動をしている弁護士に頼むのがおすすめです。
そのなかで外国語対応可能な弁護士はそれほど多くないかもしれませんが、事故処理に関してはプロですから、言語面の問題があれば弁護士側で対応してもらえると思います。
言葉がわからない、保険のこともわからないという状況で自分で適切な事故対応をするのは絶対に無理です。きちんとした対応が必要だからこそ、専門家の力を活用して問題を解決できるといいですね。
こちらのサイトでは、交通事故専門もしくは得意な弁護士を無料で探すことができます。
→【無料】交通事故相談サポート
そして、弁護士にいつでもためらわず依頼できるようにするには、自動車保険に「弁護士費用特約」をセットする必要があります。各社概ね300万円を上限に、弁護士活動に関わる交通費やその他経費を保険会社が負担してくれます。
何事も起こらなければ、保険料はすべて掛け捨てになるものです。しかし、この特約をセットして保険料が年間数千円アップするとしても、1日当たりで考えれば数十円レベルの差です。何かが起こった時のリスクに対する準備が一日数十円でできるなら安いと思いませんか?
各社の自動車保険で弁護士費用特約をセットしたときの保険料を比較したいときは、自動車保険一括見積もりサイトで見積依頼すれば、最短なら依頼直後に見積結果が記されたメールが届き、ホームページでも見積結果を見ることができるようになります。
まとめ
- 日本では在留・来日外国人数が年々増えており、今後ますます増えていくことは間違いありません。
- 損保各社ではメガ損保系の会社を中心に、増加する外国人へのサービス対応として外国語対応サービスの導入が進みつつあります。
- 外国語対応していない保険会社で契約している方は、何かあったときに弁護士に依頼できるよう、弁護士費用特約は必ずセットすることをおすすめします。