保険に加入すると送られてくるのが保険証券です。しかし、保険証券をじっくり見て内容を確認したことがある方は少ないかもしれません。
また、事故やトラブルが起こらなければ保険証券を見る機会もないので、保管場所がわからなくなることもあるかもしれません。
この記事では、そんな自動車保険の保険証券について説明します。
もくじ
保険証券とは?証券なしの自動車保険も
保険証券とは一般的には契約内容が記入された文書です。契約の成立と契約内容を証明するために、保険会社が作成し契約者に交付されます。
契約手続きが完了すると、1~2週間程度で郵送されてきます。
しかし、生命保険や損害保険では現在でもほとんどの場合紙の証券が発行されますが、自動車保険においては、紙の証券を発行しない、いわゆるペーパーレス化が進んでいます。
保険証券のペーパーレス化を実施している保険会社一覧
保険会社 | ペーパーレス化 | 割引制度 | 割引額(年額) |
---|---|---|---|
SBI | ○ | 証券不発行割引 | 500円 |
イーデザイン | ○ | 証券e割 | 500円 |
三井ダイレクト | ○ | eサービス(証券不発行)特約 | 500円 |
セコム | ○ | 割引制度あり | 500円 |
おとなの自動車保険 | ○ | なし | ※紙証券希望の場合 +360円 |
ソニー損保 | ○ | 証券ペーパーレス割引 | 500円 |
チューリッヒ | ○ | e証券割引 | 500円 |
アクサダイレクト | ○ | 保険証券不発行特約 | 割引なし |
東京海上日動 | ○ | Web証券割引 | 240円 |
損保ジャパン | ○ | Web証券割引 | 240円 |
三井住友 | ○ | eco保険証券 | 割引なし |
あいおい | ○ | ペーパーレス保険証券 | 割引なし |
共栄火災 | × | なし | なし |
楽天損保 | × | なし | なし |
ネット型の保険会社では全社ペーパーレスを選べて、おとなの自動車保険とアクサダイレクト以外は、ペーパーレスを選ぶと割引が適用されます。
おとなの自動車保険は保険証券を発行すると保険料が増額されるという言い方をしていますが、証券なしとありの差額が他社よりも小さくなっています。
また、アクサダイレクトは証券なしでも割引はありません。
一方、代理店型の保険会社ではメガ損保全社でペーパーレスを選べますが割引の有無は対応が分かれています。割引額もネット型と比べると小さくなっています。
ペーパーレス化することで、保険会社には郵送費など発行に関わる経費の削減と、紙の使用量削減という環境面への配慮という二つの観点でメリットがあります。
保険契約者にとっても、保険料が割引になるのはメリットになるので、両者ともに損をしないことから、現在対応していない会社でも今後ペーパーレス化が進むのではないかと思われます。
保険証券の記載内容
保険証券には主に以下のような項目が記載されています。
証券番号
ひとつの保険契約に1つずつ割り振られる番号です。
保険金の請求やお問い合わせなど保険会社との連絡時には証券番号を聞かれます。
対応をスムーズに進めるために、番号は手元に控えてすぐに見られるようにしておくといざというときに役立ちます。
保険契約者の情報
契約者の氏名・住所などが含まれます。
契約内容
保険の種類や契約日、保険期間などです。
保険期間は言い換えると「補償を受けられる期間」です。
記名被保険者(主に使用する方)
主に運転される方の住所、氏名、生年月日や免許書の色などが記載されます。
契約自動車の情報
補償対象となるお車の車名・型式・仕様・登録番号・車台番号など車固有の情報が記載されます。
補償の対象となる運転者の範囲
運転者年齢条件(21歳以上補償、26歳以上補償など)、運転者限定特約(本人限定、夫婦限定など)のように補償される運転者の範囲が記載されます。
ここに記載された範囲以外の方による運転で起こした事故については補償されません。
等級
今回の契約に適用される等級が記載されます。
保険料
年間の保険料や月払い時の初回払込保険料・払込方法等の情報が記載されます。
主な補償内容
契約した保険の補償内容が記載されます。
特約の有無や補償金額、免責金額などの詳細な内容についても記載されます。
保険証券が必要なのはいつ?
保険にとって重要な内容が記載されている保険証券ですが、実際に必要になるのは、保険会社に連絡しなければならない事態が発生したときです。
具体的には以下のようなケースが考えられます。
- 事故発生の連絡(ロードサービスの依頼も含む)
- 保険金請求
- 契約内容の変更、確認
- 保険の乗り換え
ただし、実際には証券そのものがなくても上記の手続きは可能です。
コールセンターで聞かれるのは証券番号なので、先にも書いた通り、証券番号さえ控えておけば、証券そのものはなくても困ることはほぼないと思われます。
少し違う点があるとすれば、サラリーマンの方が自動車通勤をする場合に、勤務先に自動車保険の加入を証明するために証券のコピーの提出を要求されることがあります。
その場合は、証券なしの契約でも、Webサイトの加入者専用ページを印刷すれば証明に使えますので、やはり書面自体がなくても困ることはほぼないと思われます。
保険証券を紛失したときは?紙の保険証券は必要?
紙の証券を紛失した場合は、保険会社に依頼すると再発行してもらえます。
もし、証券を紛失しても保険は無効になりませんので慌てずに保険会社に問い合わせてください。
しかし、上記のとおり、自動車保険ではすでにペーパーレス化が進んでいるため、初めから保険証券がない方も多いのではないでしょうか。
私が現在契約中である、おとなの自動車保険でも保険証券はありませんが、契約者マイページで必要な情報はいつでも参照できるので困ることはありません。
そのため、インターネット環境がないなど、紙でないとだめな事情がない限り、紙の証券は不要だと個人的には思っています。
まとめ
- 自動車保険の保険証券は契約成立と契約内容を明示するために保険会社により発行されます。
- 保険証券には契約内容について記載されます。
- 現状ペーパーレス化が進んでおり紙の保険証券は必ずしも必要ではなくなっています。