駐車場でバンパーをこすって擦り傷ができてしまった!買って一年もたっていないのに・・・( ;∀;)
車両保険を使って修理するつもりで保険会社に連絡したら「車両保険を使うよりご自身で修理したほうがよいですよ」と言われてしまった。
せっかく保険に入っているのに、使わないほうがいいとはどういうこと?
という、車両保険の使い方でお悩みの方の疑問にお答えします。
もくじ
自動車保険を使うとは?
冒頭の例では保険会社の人が「保険を使わないほうがよい」と言っていました。
保険に入っているのにどうして使わないほうがよいという話になるのでしょうか?
その理由は自動車保険の仕組みによります。
自動車保険を使うのはこんなとき
そもそも、自動車保険を使おうと考えるのはどんなときでしょうか。
- 交通事故で他人に損害を与えたとき
車同士やバイク、自転車との衝突や、歩行者をはねた、ガードレールや建物を壊した、など、自分の過失によって何らかの賠償責任を負うことになったときの補償は、対人賠償保険や対物賠償保険から受けられます。
- 交通事故や災害などで自分の車が損害を受けたとき
衝突事故を起こせば、他人の車だけでなく自分の車も修理が必要になることがありますが、その場合は自分の車両保険を使えます。他車と関係なく駐車場や狭い道でバンパーやドアをこすったり、雪道でスリップして車を傷つけたりした場合は、車両保険に加入していれば補償を受けられます。
台風や大雨による車両の水没や、あられやひょうによる外装のへこみなども、車両保険の契約内容によっては補償を受けられます。
ただし、地震については車両保険では補償を受けられません。
- 交通事故で他人から損害を受けたとき
車同士の事故では、一方的に自分の過失が100%になるとは限りません。相手にも不注意が認められれば、自分のケガの治療費などの一部が、相手の自動車保険から補償され、残りは自分の人身傷害保険または搭乗者傷害保険から補償されます。
また、人身傷害や搭乗者傷害に加入している場合は、自分が歩行者として車にはねられて、ケガをしたり死亡したりしたときに契約に基づいた保険金が支給されます。
このうち、ひとつだけ、使うか使わないかを検討したほうがいいケースがあります。
ちょっと考えてみてください。
正解は「2」です。
その理由をご説明します。
自動車保険を使うと起こること
事故を起こして自動車保険を使う、つまり保険金が支払われた場合、保険料を決める目安であるノンフリート等級が3等級まはた1等級下がります。
3等級下がった場合は、事故の翌年から3年間無事故を続けないと元の等級に戻りません。
その間に再び3等級ダウン事故を起こせば等級はさらに下がり、保険料が元に戻るのにも余計に時間がかかります。
一方、事故を起こしても保険金を請求しなければ等級は変わりません。
そのまま他に事故をしなければ、翌年は等級が1つアップするので保険料は下がります。
ですので、保険会社の担当者に相談すれば、保険を使った後に増える保険料と、保険を使ってもらえる保険金を比べて、どちらが損をしないか計算してくれます。
もし、車両保険以外の対人/対物賠償が発生すれば、保険料よりも賠償金のほうが大きくなるのはほぼ確実なので、悩むことなく保険を使うケースがほとんどだと思います。
ところが、車両保険の場合は修理費が数万円という小さな損傷で済むこともあります。
冒頭の例では、保険会社の担当者は修理代と車両保険を使った後の保険料の差額とを比べて、損をするから使わないほうがいいとアドバイスしてくれたのだと思います。
しかし、アドバイスに従わなくても保険会社は文句を言いませんし、保険会社的には儲かりますから、喜んでそのまま更新してくれるはずです。
結局、最終的には契約者が判断して決めること、と覚えておいてください。
ノーカウント事故なら自動車保険を使っても何も起こらない
自動車保険を使って保険金をもらっても、等級が変わらない場合があります。
それはノーカウント事故の場合です。
ノーカウント事故とは、もらい事故のような自分の過失がゼロの事故や、人身傷害・搭乗者傷害など使っても等級が下がらないものだけを使った事故のことです。
保険を使って保険金をもらっても等級は変わらず、翌年の等級は1等級アップします。
等級についてはこちらの記事をご覧ください。
→保険料を左右する?自動車保険の等級制度とは
車両保険を使う前にやるべきこと
自動車保険を使うかどうかで迷うポイントは、おおむね車両保険が対象になるとご理解いただけたでしょうか。
ここでは、車両保険を使う前にやるべきことを説明します。
次年度以降の保険料を見積もる(いくら上がるか確認する)
事故を起こしたら保険会社への連絡は必須ですが、その際に保険料の見積を担当者に依頼してください。
ここでの見積結果が、車両保険を使うべきかどうかの判断材料になります。
修理費を見積もる(修理工場に出して見積書をもらう)
保険会社への連絡と同時に、修理してくれる場所に車を見てもらって修理代の見積を依頼してください。
保険会社からは指定の工場に見積もりを出すよう指示されると思います。
しかし、できれば指定工場以外の業者にも見積もりを依頼して、複数の見積もりを取ることをおすすめします。その理由は後述します。
保険料と修理費を比較する
保険会社と業者から得られた、保険料と修理費の見積を比較します。
ここで、修理代のほうが高ければ保険を使い、保険料が高ければ自費で修理すれば、損失を最小限に抑えられます。
知って得する車両保険の使い方
ここでは、さらに知っておくと得する車両保険の使い方を説明します。
必ずしも修理する必要はない
車両保険の保険金は実際に修理をしなくても受け取れます。
保険金を請求するには修理代の見積書提出が必要です。
保険会社は見積書を確認し、内容が妥当な金額であると判断すれば、修理したかどうかにかかわらず保険金を支払ってくれます。
実は、ここが大きなポイントなんです!
先に、保険会社の指定業者以外からも見積書を取ることをおすすめしたのは、実際に修理するときに役立つ可能性があるからでした!
保険会社は、指定工場からの見積に対して異論を出すことはまずありません。
したがって、修理をするかどうかにかかわらず、見積通りの保険金が払われる可能性は極めて高いと思います。
もし、指定工場より安く修理できる場所が見つかってそこで修理できれば、受け取った保険金と実際の修理費との差額を次年度以降の保険料にまわせます。
保険会社としては、補償費が妥当と判断したうえで保険金を支払っています。
実際の修理費が指定工場の見積もりより安かったとしても、連絡や差額の返還は要求されないので安心してください。
これが少しでも費用を節約する一つのポイントです。
保険金は必ず自分でもらうこと
もう一つ、大切なポイントは「保険金は自分がもらうようにする」ことです。
保険会社から直接工場に保険金を支払ってもらうようにすると、保険金=修理費になるため自分の手元には一円もお金が入りません。
逆に、自分で保険金をもらえば、指定工場より安く修理できるところがあったときには、修理費との差額を自分の手元に残せます。
もちろん、見積を取った結果、指定工場が最安になった場合は余計な手間だけがかかってしまったとガッカリするかもしれません。
それでも、節約するためにできることは何でもやる!という方には、自分で保険金を直接受け取るやり方をおすすめします。
若干手間がかかってしまいますが、そのひと手間で数万~十数万円損失を減らせると思えば、頑張ってみる価値はあるのではないでしょうか。
まとめ
- 車両保険を使うと損をする場合があるので注意が必要です。
- 車をぶつけてしまってもすぐに保険を使おうと考えずに、保険料と修理費の見積を取って比較することをおすすめします。
- 少しでも節約を考えるなら、保険金を受け取る場合は、自分に保険金が支払われるように手配するのがおすすめです。